昨今、賃貸経営において『修繕を行う適切なタイミングがわからない』というオーナー様の声が増加しております。日本全国の賃貸物件のうち、築20年以上の物件割合は約60%となっている状況で、如何に『建物の長寿命化』を図るかが重要なポイントです。
オーナー様によって、将来の出口戦略は人それぞれですが修繕を行う場合が適切なタイミングで投資を行っていく必要があります。
以下は、国土交通省より出されている賃貸経営において投資を求められるタイミングの方針です。賃貸経営を継続する場合、要所要所で必要な投資が必要です。


【賃貸経営における計画修繕工事の目安時期)
以下に修繕工事の目安時期についてまとめました。
物件の状態やオーナー様の目的によって方針は変わりますが、
費用対効果を考え、実施判断していただければと思います。
状況によっては、売却や建替え、更地にして別の運用方法もあり得ます。
【建築項目】 | 【周期】 |
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大規模修繕工事 | ▸15~20年に1回 |
鉄部塗装工事 | ▸5~10年に1回 |
【室内グレードアップ】 | 【周期】 |
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設備交換 | ▸10~15年に1回 |
鉄部塗装工事 | ▸5~10年に1回 |
【設備項目】 | 【周期】 |
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給水ポンプ交換 | ▸15~20年に1回 |
給水ポンプ整備 | ▸5~10年に1回 |
エレベータ更新 | ▸30年に1回 |
給排水管更新 | ▸30~40年に1回 |
「今こそおさらい!建て替えの基礎知識」
上記でも記載の通り、築年数の古い物件がこれから更に増えて行きます。
地域では築30年を超えるアパートも珍しくありません。
資産は維持したいけど、古い物件のままで10年20年賃貸経営を続けていくのは不安、退去の手続きはどうすれば良いのか等、そんなオーナー様の声も聞くようになってきました。
今回はオーナー様にとって身近になったアパートの建て替えについて検討する場合の基礎知識をお伝えします。

建て替えをしない方が良い物件もある!
古くなって入居が厳しい。賃料が大きく下がっている。
こんな物件は建て替えを検討したくなるケースの一つですが、もし中期的にみて「そもそも立地が悪く満室にしづらい」というケースの場合は、売却や資産の組み換えを検討されるのが無難です。
「建て替えによって立地の不利を挽回するのは難しい」ということは念頭に置いておきましょう。

建て替えで押さえておきたい基礎知識
アパートの建て替えの目安は、
①建築時期
②今後かかる投資
③空室状況(過多)
④節税効果(所得税・相続税)
の4つです。
借入返済が終わっていればそれなりに収益が出るケースも多くなります。
ただ、それ以上にコストがかかる(不安がある)、収益を上げるのには限界がある、その後の経営・相続において、節税効果が見込めなくなってきている、というケースは建て替え検討ケースです。

建て替えの一番の課題
いざ、建て替えになったら、具体的には
①立ち退き
②解体工事費
の2つが必要になります。
こういった動きを具体的に進める場合、ある程度の費用と労力が掛かります。
こういった費用を踏まえたうえで、建て替えのメリットがあるのか、ないのかを総合的に判断する必要があります。
もし建て替えを検討されていて、具体的に何をすればよいか迷ったら、ぜひ気軽にお声がけください。
