2025年7月1日、国税庁より令和7年分の「相続税路線価」が発表されました。
全国平均では前年比約2.7%の上昇。これは4年連続のプラスであり、都市部を中心に資産価値が高まり続けていることを示しています。
都市部のインバウンド需要や住宅需要の高まりが路線価を押し上げております。

特に注目すべきは、東京・銀座中央通りで1㎡あたりの路線価は何と4,808万円で、前年比で+8.7%と大幅な上昇を記録しております。
その他、福岡市中央区・天神も+1.7%と上昇傾向が続き、大阪市北区や東京駅周辺も+0.8%と堅調です。一方で、地方都市の一部では下落も見られ、依然として都市部と地方の二極化が進行している現実が浮き彫りになりました。
相続税路線価は「不動産の相続税評価額」を算出する基準となるため、不動産を所有する方にとっては、税負担を左右する重要な指標の一つです。たとえ実際の売買がなくても、路線価が上がれば「帳簿上の資産評価額」も上がるため、相続発生時に多額の税金が発生するリスクが高まります。
では、今、何を考えるべきでしょうか。まず重要なのは、相続対策を先送りにしないことです。
特に現在は65歳以上の人口が30%の時代となっており、確実に承継を考える時期になっております。不動産を法人に移転するスキームや、生前贈与、家族信託の活用など、状況に応じた多角的な検討が求められます。

また、納税資金の準備も必要です。
不動産は流動性が低く、相続が発生した際にすぐ現金化できるとは限りません。
結果として「納税のために不利な条件で売却せざるを得なかった」という事例が多々起きております。生命保険や納税用資金の準備、不動産の分割等、今からシミュレーションしておくことが安心につながります。令和7年の路線価の上昇は、単に「資産価値が上がった」というポジティブな側面だけでなく、「税金の課税ベースが上がった」という、オーナーにとってシビアな現実でもあります。このタイミングで是非専門家と共に相続対策・資産の見直しを進めてみては如何でしょうか。
弊社でも不動産を守り、次世代に資産をつなぐためのサポートを行っております。